生後2.3か月の子犬を迎い入れて、子犬との生活に慣れてきたころに多くの飼い主さんが愛犬の甘噛みに頭を抱えるのではないでしょうか?
甘噛みは成長過程では避けては通れませんが、早い段階でやめさせることがその後の愛犬との暮らしやすさにつながります。
私の愛犬も生後4か月ほどはひどい甘噛みに苦労をしました。
世話をしようと手を伸ばすと毎回のように噛まれました。
また、遊びの延長なのか手だけでなく、歩いてるときの足さえも噛んできたり。
犬を飼っている友人が愛犬に会いに来たときは噛まなかったのです。
いつもお世話をしている私だけが噛まれるのはなんで?!と思いました。
特定の人だけを噛む犬の心理はどういったものでしょうか。
噛まれる「特定の人」になってしまう原因を知らずに作ってしまっているかもしれません。
甘噛みをしてしまう犬の心理を学んで、正しい理解をしていきましょう。
犬が甘噛みをする心理とは?
あなたの愛犬は甘噛みをしてきますか?
子犬を迎い入れてからほとんどの飼い主さんが直面する問題が愛犬の「甘噛み」ではないでしょうか?
私の愛犬も子犬のころ本当に甘噛みがとてもひどかったです。
ゲージ内を掃除しようと手を入れたときや、室内で遊んでいるときなど、必ずと言ってよいほど噛んできました。
本気ではなくても、子犬の歯は小さく尖っているのでとても痛いですよね。
あまりに痛いことから、犬を飼ったことが無い人は「これからずっと我慢しないといけないのかな」「成犬になって噛む犬になったらどうしよう」と不安になってしまうかもしれません。
犬が甘噛みをする心理はどういったものでしょうか。
- 噛んでいけないことを知らない
- 歯がかゆい
- じゃれている・楽しい
- 反応に興味を持っている
- ストレスが溜まっている
1.噛んでいけないことを知らない
まだまだ子犬です。
やっていいこと・やってはいけないことの区別がついていません。
本来なら、子犬は兄弟姉妹犬と一緒に遊んで噛む強さの加減を学びます。
また、母犬が甘噛みと本気噛みの程度を教えてあげることがあります。
早くに母犬と離れてしまった子犬はその機会が十分ではありません。
代わりに飼い主が責任をもって教えなければなりません。
2.歯がかゆい
犬は生後4,5か月ごろに歯が乳歯から永久歯に生え変わります。
人間の赤ちゃんも乳歯の生え始めの不快感をなくすため、歯固めを使ったりしますよね。
犬も同じように不快感から何かを噛んでいたいという心理から甘噛みをしてしまいます。
3.じゃれている・楽しい
2の理由から、お世話をする飼い主さんの手を噛む犬が多いです。
本能的に動くものを捕まえようとするので、ひらひらと動く手が面白いと感じているのかもしれません。
また、遊びの延長で興奮して噛んでくることもあります。
4.反応に興味を持っている
噛まれたときに「きゃっ!」と悲鳴をあげたり、過剰に驚いたりしていませんか?
犬は喜んでいると思ってしまい、噛むと飼い主さんが喜んでくれると噛む行為を繰り返してしまいます。
放置してしまうと、成犬になってまでも噛みグセがついてしまます。
成犬は噛む力が強くなるので人間が怪我をしてしまうかもしれません。
5.ストレスが溜まっている
→犬も我慢をさせられたり、思う存分遊んだりできないとストレスが溜まってしまいます。
ストレスを発散させようとしたり、気を紛らわせようとして噛んでくることもあります。
愛犬が子犬のころ甘噛みがひどかったと書きましたが、ただ部屋の中を歩いているだけでも、かかとをいきなり噛まれることもありました。
動いていることから興味をそそられて、甘噛みをしてしまいます。
この時の飼い主の高い声で「痛い!」と声を出した反応が面白いと感じたのでしょう。
なぜ甘噛みを特定の人にだけする!?甘噛みしたあとになめる犬の心理とは?
家族で飼っているのに、特定の人にだけ甘噛みをしていることありませんか?
ご飯やお散歩に連れて行き、お世話をたくさんしていても甘噛みをされてしまう。
「お世話しているのに下の立場に見られているの?」と悲しくなってしまいますよね。
- 犬のパーソナルスペースに入ってしまった
- 犬の嫌がる行動をしている・したことがある
- 甘噛みをした時の対応を誤ってしまった
- 遊んでくれる人という心理からじゃれている
甘噛みをする心理は、犬があなたを下に見られているからとは限りません。
甘噛みを特定の人にばかりにするのは、犬のこのような心理からきているのです。
1.犬のパーソナルスペースに入ってしまった
本来、犬は縄張り意識が強い動物です。
自分のゲージやお気に入りのスペースでくつろいでいるときに構ってしまったりしていませんか?
「飼い主さんは好きだけど、今は構わないで!」と伝えたく、歯を当ててくるのかもしれません。
2.犬の嫌がる行動をしている・したことがある
例えば犬がご飯を食べているときにちょっかいをだしたりすると、「この人はごはんを取る!」と思ってしまいます。
嫌なことされたら犬はその後も警戒をするようになります。
ちょっかい出すつもりがなくても近くを通っただけで、怒り出してしまうこともあります。
3.甘噛みをした時の対応を誤ってしまった
前述したように、犬は特定の人の反応に対して喜んでくれた!と認識して、また喜んでもらえるように甘噛みを繰り返すのかもしれません。
4.遊んでくれる人という心理からじゃれている
これまで挙げた理由のように怒っていたりトラウマがあったりするだけでなく、ただ楽しくて甘噛みをしている場合もあります。
このような、じゃれついて噛んでくることを「じゃれ噛み」ともいいます。
甘噛みのように、軽い力のうちはよいですが、力が付いてきたり成犬になってもクセになっていると危険です。
強い力でじゃれ噛みをしたまま、大きく動かれたら、噛まれた人は大きなケガをする恐れがあります。
特定の人は以上のような行動を愛犬に日頃してしまっているのかもしれません。
お世話や手入れは避けては通れませんよね。
しかし、トラウマや自分自身を守るために甘噛みをしたり、怒りをあらわにすることがあります。
飼い主の手などを噛んだ後にペロっとなめることがあります。
「ごめんね」と反省していると思いがちですが、実際の犬の心理はそうではありません。
「あなたは私より下なのよ!」と思っているのです。
噛まれたらすぐに正しく叱ることが大切。
今からでも遅くありません。
正しい対処法を見ていきましょう。
甘噛みやじゃれ噛みをやめさせる方法
一緒に暮らしているからこそ信頼関係を築いていきたいのは、皆さんが思っていることだと思います。
また、甘噛みやじゃれ噛みにとどまらず、本気噛みがクセづいて自分や家族・他人にけがをさせないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
- 甘噛みしにくい環境をつくる
- 長続きするガムや噛むことのできるおもちゃ、知育玩具を与える
- 散歩や運動をさせる
- 甘噛みをする前にやめさせる
1.甘噛みしにくい環境をつくる
手や噛んでほしくないものに吹き付けられる噛み付き防止スプレーがあります。
苦い味がするため噛まなくなる効果があります。
また、噛まれたくないものは遠ざけるなど飼い主が噛む環境をなくすことも必要です。
2.長続きするガムや噛むことのできるおもちゃ、知育玩具を与える
靴下やスリッパなど噛まれてほしくないものを遠ざけたら、代わりに長く噛めるガムやロープのおもちゃなど噛んでもよいものを与えましょう。
子犬の場合は歯の生え変わりの不快感を取り除けるようにしてあげることが大切。
また、フードを詰めて転がしたりできる知育玩具は、一生懸命手足や頭を使うことができます。
人の手を噛むより、犬にとって魅力的なおもちゃで遊ぶようになります。
子犬だけでなく、成犬やシニア犬にも合ったものを与えることで有効です。
3.散歩や運動をさせる
前述したように、運動不足によりストレスが溜まり、発散させるために噛んでしまうことがあります。
犬種によっても適正な散歩の量や運動量は変わってきます。
十分に体を動かしてあげることで噛むエネルギー使うことが可能。
それにより甘噛みをやめさせることにつながります。
4.甘噛みをする前にやめさせる
興奮からくる甘噛みやじゃれ噛みには、一度クールダウンさせることが大切。
例えば、ロープのおもちゃでひっぱりっこをしていたら興奮してきますよね。
ロープではなく手を噛んできそうと思ったら、その瞬間に遊ぶのをやめることが必要です。
その際「オスワリ」のような動きを止めさせるコマンドを出します。
犬は「一度落ち着かないといけないんだ」と学習していきます。
歯が生え変わったあとに甘噛みをしないように、子犬のうちから対処していくことが最善です。
しかし、噛む力が強かったり、対処してもなかなか良くならないこともあります。
そのようなときは迷わず、自己流で失敗してしまう前にドッグトレーナーや専門知識のある人にしつけ相談をしましょう。
まとめ
- 甘噛みをしてしまう犬の心理について理解を深めよう。
- 特定の人を噛むのはトラウマや興奮している心理から
- 甘噛みをさせない環境作りが大切。
子犬のころの甘噛みは「まだまだ赤ちゃんだからね」「赤ちゃんだから仕方ない」と多少痛くても我慢できるかもしれません。
しかし、次第に甘噛みが強くなってきたり、特定の人ばかりに噛むようになると不安になると思います。
特定の人だけでなく、他人を傷つけるリスクも高まり、噛みクセがあっては犬も人にも良いことはありません。
日頃、特定の人を噛んでいる犬は、いつもと違う環境ではより噛むことが増えるかもしれません。
そのため、ドックランやドッグカフェなどの初対面の人や犬が集まるところでは、噛んだり攻撃的な犬は入店できなかったり利用を止められてしまうこともあります。
「小さいから、赤ちゃんだから」とか「可愛いから許してしまう」といった甘やかしは、将来一緒に暮らす上で苦労をする確率が高くなります。
犬の心理や正しい対処法を学んで、いつも噛まれてしまう「特定の人」にならないようにしましょう。
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